朱色の悪魔


目が覚めたら、さっきの子どもがいた。

「アカネ?」

子どもが、研究者と同じ言葉を向けてくる。

アカネ

これは、なんだろう。どうも私に向けられているような気がする。

子どもは、傍にいて、勝手に話したりぺたぺた顔を触られたりした。無抵抗でそうされているけど、嫌ではなかった。

「オ、イタイタ」

「パパ!」

また、誰か来た。子どもは、立ち上がって入ってきた人のところへ。

その人は、子どもを抱えている手に私も加える。また、抱き上げられた。

でも、さっきと違うのは子どもがいること。その子どもが抱きついてくること。

「アカネ」

まただ。それは、私に向けられる。

これは、なんだろう。アカネは、私…?

「アカネノホッペプニプニー」

子どもにされるがまま、でも視線は私を抱いている人に向いたまま。

痛くもない、苦しくもない時間が過ぎていく。