朱色の悪魔


「朱音、結局どうする」

「…」

「喋れねぇ設定な。ま、長袖の理由はいつもと同じでいいな」

今回の朱音は、喋れない、肌が弱い。

病弱な設定。いつもと一緒。

あ、1個前の学校は耳聞こえない設定だった。

バス停。私たち以外誰もいない。

弟くんは暑そうにカッターシャツの首もとをつまんでバタバタさせる。

「いつも思うけど、お前よく長袖なんか着れるな」

「…中、半袖」

「ブレザーで十分暑い」

弟くんは半袖のカッターシャツの第2ボタンまで開けちゃってる。
ズボンは私のスカートと同じ柄。

季節は夏。

ついでに高2。弟くんも、高2。

ほどなく現れたバス。

定期券をタッチして、後ろの方の空いた席に座った。

あ、マスクしとかなきゃ。

ポケットから新品のマスク登場。
装着して完了。これで喋らなければ完璧。