「誰もが真ん中に立てるわけじゃないのよ。」
いつものホテルで、事後、れいは枕元の煙草を手にとってそう言った。
そりゃ、そうだ。
でも、はなっから諦めて努力を放棄する理由にはならないだろう。
「その目。義人って、ほんと、優しくない。もう、諦めさせてよ。私に、はっぱかけないで。結婚相手が決まるまでフェアリー生活を楽しませてよ。」
れいはそう言って、ぷかーっと何度か深く吸って、煙草をもみ消した。
優しくない、か。
そんなこと言うの、れいだけだよ。
確かに、ちやほやされるのに慣れてるれいをこれ以上甘やかす気にはならず、むしろ苦言を呈してきたけどな。
恋愛感情とは違うけど、心配してんだよ、ほんと。
伝わってるのかな?
ただの彼女の1人じゃない。
……あの女性(ひと)に紹介されて、託されたから……れいのことは、大事にしてきたつもりなんだけどな。
これでも。
「前に、義人、言ってたじゃない?セフレと複数いる彼女の違い。あれ、イロイロ考えたんだけどね、」
突然、れいがそう言い出した。
まさに今も俺が抱えてる命題だ。
俺は、うなずいて続きを促した。
「セフレが妊娠したら中絶させるけど、彼女の場合は本人に産む意志があるなら認知する、って感じかな~と最初のうちは思ってたんだけどね。でも、ある日、気づいちゃったのよねえ。」
れいは口を歪めて、笑顔か泣き顔かわからない顔になった。
「そもそも、その前提もないんじゃない?義人、誰に対しても絶対妊娠させないように、何かしてるでしょ?ゴムだけじゃなくて。」
……気づいてた、か。
俺は、動揺を隠してうなずいた。
「やっぱりね。失敗した過去でもあったの?……最初から必ず持参したゴム付けるし、妊娠だけじゃなく性病対策?不特定多数と相手してるから?って、ちょっと呆れてたんだけど。それだけじゃないのよねー。なーんか、イロイロ納得いかないのよね。過去にパートナーを妊娠させた後悔のせいだってゆーなら、ストンと納得する。どう?合ってる?」
……だいたい正解。
最初は、性病が怖かった。
もちろん生(なま)は、いい。
でも、しない。
狙って孕ませた愛する人が、俺のもとから逃げ出したことがわかった時、誓ったから。
もう決して卑怯なことはしない。
無責任に妊娠させるようなことは絶対しない。
手術で俺自身の精管を結ぶ処置も考えたが、将来結婚して精子が必要になった時に、万が一にも何も問題が生じないという保障はない。
結局、保険として精子の冷凍保存をした上で、今はまだ日本では一般的ではないが、男用のピルを併用している。
精管にジェルを充填する方法も、実用化されて安全が確認されたら取り入れてもいいかもしれない。
まあ、そんなもん必要じゃないほど一途に愛するヒトを見つけることが理想的だが。
いつものホテルで、事後、れいは枕元の煙草を手にとってそう言った。
そりゃ、そうだ。
でも、はなっから諦めて努力を放棄する理由にはならないだろう。
「その目。義人って、ほんと、優しくない。もう、諦めさせてよ。私に、はっぱかけないで。結婚相手が決まるまでフェアリー生活を楽しませてよ。」
れいはそう言って、ぷかーっと何度か深く吸って、煙草をもみ消した。
優しくない、か。
そんなこと言うの、れいだけだよ。
確かに、ちやほやされるのに慣れてるれいをこれ以上甘やかす気にはならず、むしろ苦言を呈してきたけどな。
恋愛感情とは違うけど、心配してんだよ、ほんと。
伝わってるのかな?
ただの彼女の1人じゃない。
……あの女性(ひと)に紹介されて、託されたから……れいのことは、大事にしてきたつもりなんだけどな。
これでも。
「前に、義人、言ってたじゃない?セフレと複数いる彼女の違い。あれ、イロイロ考えたんだけどね、」
突然、れいがそう言い出した。
まさに今も俺が抱えてる命題だ。
俺は、うなずいて続きを促した。
「セフレが妊娠したら中絶させるけど、彼女の場合は本人に産む意志があるなら認知する、って感じかな~と最初のうちは思ってたんだけどね。でも、ある日、気づいちゃったのよねえ。」
れいは口を歪めて、笑顔か泣き顔かわからない顔になった。
「そもそも、その前提もないんじゃない?義人、誰に対しても絶対妊娠させないように、何かしてるでしょ?ゴムだけじゃなくて。」
……気づいてた、か。
俺は、動揺を隠してうなずいた。
「やっぱりね。失敗した過去でもあったの?……最初から必ず持参したゴム付けるし、妊娠だけじゃなく性病対策?不特定多数と相手してるから?って、ちょっと呆れてたんだけど。それだけじゃないのよねー。なーんか、イロイロ納得いかないのよね。過去にパートナーを妊娠させた後悔のせいだってゆーなら、ストンと納得する。どう?合ってる?」
……だいたい正解。
最初は、性病が怖かった。
もちろん生(なま)は、いい。
でも、しない。
狙って孕ませた愛する人が、俺のもとから逃げ出したことがわかった時、誓ったから。
もう決して卑怯なことはしない。
無責任に妊娠させるようなことは絶対しない。
手術で俺自身の精管を結ぶ処置も考えたが、将来結婚して精子が必要になった時に、万が一にも何も問題が生じないという保障はない。
結局、保険として精子の冷凍保存をした上で、今はまだ日本では一般的ではないが、男用のピルを併用している。
精管にジェルを充填する方法も、実用化されて安全が確認されたら取り入れてもいいかもしれない。
まあ、そんなもん必要じゃないほど一途に愛するヒトを見つけることが理想的だが。



