「ごめん。これから気をつけます。」
「……謝る相手が違います。」
希和子ちゃんはそう言って、花実嬢に視線を向けた。
でも俺は希和子ちゃんだけ見て答えた。
「そっちはどうでもいいねん。俺は、希和子ちゃんを傷つけたり、困らせたりしたくないし、希和子ちゃんに呆れられたくないねん。」
「ロリコン!変態!最低!」
背後で花実嬢がそうわめいた。
無視してると、
「まだそんなこと言ってるんですか?いい加減にしたらどうです?」
と、呆れた声が近づいてきた。
「正美ちゃんも来てたんや。こないだは、ありがとう。仕事早いなあ。助かったわ。」
振り返ると、正美嬢が腕を組みながらやってきた。
「……根治できてなかったみたいですけどね。」
正美嬢はそうこぼしてから、白い目で花実嬢を見た。
「浦川さん。言いましたよね?もはや悪口の範疇、越えてますよ?」
花実嬢がくやしそうに正美嬢を睨む。
「うるさいわね!わかってるわ!どうせ、あんたもすぐ捨てられるわ!あんたも!」
あろうことか、花実嬢は、正美嬢に続いて希和子ちゃんも指差してそう予言した。
ビクッと希和子ちゃんの身体が震えた。
俺は慌てて希和子ちゃんの両肩を抱きしめた。
希和子ちゃんは嫌がらずに突っ立ってじっとしていた。
「……捨て台詞のつもりでしょうが、見当違いも甚だしい。私は竹原くんに、浦川さんのような関係を一切要求してません。お互いの自由意志と趣味と実益で協力してるだけですから。それに、こちらのお嬢さんは、竹原くんだけじゃなく、竹原くんのご家族によって生涯、庇護される存在です。あなたとは次元が違います。」
正美嬢は淡々とそう言って、花実嬢にアゴでぐいっと「行け」のゼスチャーをした。
花実嬢は、もう一度俺を見てから、パタパタと走り去った。
その目は怨恨や執着ではなく、後悔に暗く沈んで見えた。
「結局さ~、浦川さんも、最初は竹原くんのこと、ちょっといいな、って程度だったと思うのよ。だから複数の彼女のうちの1人でも大丈夫やったんでしょ。でも、付き合ってくうちに独占欲出たんでしょーねえ。契約違反だって自覚してたみたいよ。ま~、お互い災難だったんじゃないの?」
堀正美嬢は、移動した談話室でそんなことを言い出した。
確かに談話室には俺達と希和子ちゃんしかいないけど……
「正美ちゃん。そういう話は、ちょっと……。希和子ちゃん、いるし。」
その希和子ちゃんは、俺の母親からの差し入れの紅茶を飲みながら、じーっと正美嬢を観察している。
「あら。希和子ちゃん、竹原くんが思ってるよりオトナよ。さっきも至極まっとうなこと言ってたじゃない。聡い子やわ。ね~?今さら、話に寄れへんの、嫌やんなあ?」
正美嬢にそう聞かれて、希和子ちゃんは、ちらっと俺を観てから、うなずいた。
「……謝る相手が違います。」
希和子ちゃんはそう言って、花実嬢に視線を向けた。
でも俺は希和子ちゃんだけ見て答えた。
「そっちはどうでもいいねん。俺は、希和子ちゃんを傷つけたり、困らせたりしたくないし、希和子ちゃんに呆れられたくないねん。」
「ロリコン!変態!最低!」
背後で花実嬢がそうわめいた。
無視してると、
「まだそんなこと言ってるんですか?いい加減にしたらどうです?」
と、呆れた声が近づいてきた。
「正美ちゃんも来てたんや。こないだは、ありがとう。仕事早いなあ。助かったわ。」
振り返ると、正美嬢が腕を組みながらやってきた。
「……根治できてなかったみたいですけどね。」
正美嬢はそうこぼしてから、白い目で花実嬢を見た。
「浦川さん。言いましたよね?もはや悪口の範疇、越えてますよ?」
花実嬢がくやしそうに正美嬢を睨む。
「うるさいわね!わかってるわ!どうせ、あんたもすぐ捨てられるわ!あんたも!」
あろうことか、花実嬢は、正美嬢に続いて希和子ちゃんも指差してそう予言した。
ビクッと希和子ちゃんの身体が震えた。
俺は慌てて希和子ちゃんの両肩を抱きしめた。
希和子ちゃんは嫌がらずに突っ立ってじっとしていた。
「……捨て台詞のつもりでしょうが、見当違いも甚だしい。私は竹原くんに、浦川さんのような関係を一切要求してません。お互いの自由意志と趣味と実益で協力してるだけですから。それに、こちらのお嬢さんは、竹原くんだけじゃなく、竹原くんのご家族によって生涯、庇護される存在です。あなたとは次元が違います。」
正美嬢は淡々とそう言って、花実嬢にアゴでぐいっと「行け」のゼスチャーをした。
花実嬢は、もう一度俺を見てから、パタパタと走り去った。
その目は怨恨や執着ではなく、後悔に暗く沈んで見えた。
「結局さ~、浦川さんも、最初は竹原くんのこと、ちょっといいな、って程度だったと思うのよ。だから複数の彼女のうちの1人でも大丈夫やったんでしょ。でも、付き合ってくうちに独占欲出たんでしょーねえ。契約違反だって自覚してたみたいよ。ま~、お互い災難だったんじゃないの?」
堀正美嬢は、移動した談話室でそんなことを言い出した。
確かに談話室には俺達と希和子ちゃんしかいないけど……
「正美ちゃん。そういう話は、ちょっと……。希和子ちゃん、いるし。」
その希和子ちゃんは、俺の母親からの差し入れの紅茶を飲みながら、じーっと正美嬢を観察している。
「あら。希和子ちゃん、竹原くんが思ってるよりオトナよ。さっきも至極まっとうなこと言ってたじゃない。聡い子やわ。ね~?今さら、話に寄れへんの、嫌やんなあ?」
正美嬢にそう聞かれて、希和子ちゃんは、ちらっと俺を観てから、うなずいた。



