「なあ。もしかして坂巻さんの寺の系列の大学行くん?孝義くんと一緒に?」
そう聞いたら、希和は微妙な表情になった。
「ううん。孝義くん、大学は京大志望。大学院だけお寺の学園に行くつもりみたい。春秋くんは、市立芸大。」
バラバラだな。
「ほな、希和は女子大にしたら?坂巻くんの寺の系列の。偏差値も高いし、お母さんの出身校やし。」
「仏教学がないねん。お坊さんはいっぱい指導者にいはるし、国文にも日本史にも仏教系の専門の教授もいはるけど、教義そのものを学ぶ学科じゃないねん。だから、躊躇してる。」
真面目に希和はそうぼやいた。
「あのな。大学の講義やカリキュラムに期待せんほうがいいで?勉強したいなら自分でするしかないんやし。むしろ師事したい教授がいるならそこを目指したほうがいいかもしれん。」
そう言ったら、希和は真剣に考え始めた。
……仏教、か。
希和の血が勝手にそっちに引き寄せられるんだろか。
それとも、坂巻さん家(ち)が巧妙に仕掛けた罠にかかったのか?
いずれにせよ、希和がやりたいなら、止められない。
「希和。たぶんお父さんから話さはると思うけど、戸籍上、坂巻さん家が希和の実家になるから。」
そう言ったら、希和は意味がわからないらしく、ぽかーんとしていた。
「何?何の話?」
「うん。希和と夫婦になるために、めんどくさい手続きがいっぱいあるねんわ。まずは、次の大安吉日の午前中に、俺が父親と母親に『希和子さんと結婚させてください。』ってお願いするねん。で、その次の大安に、希和と2人で両親に挨拶。」
今さらな手順に、希和が笑った。
「嘘~~~。そこから、なの?確かにめんどくさすぎる。」
「うん。俺もめんどくさい。でもな、親たちの愛情やと思といて。それだけ希和を大切に想ってるって証(あかし)。」
そう言ったら、希和は泣きそうな顔でうなずいた。
「どうしよう。幸せ過ぎて夢みたい。」
かわいい希和。
「俺も。」
そう言ってから、そっと希和を抱きしめる。
腕の中の愛しいぬくもりに、心が満たされる。
「希和が幸せ~って笑顔でいてくれたら、俺もどんなに心が荒んでても和やかになって夢みたいに幸せになれるわ。……ずっとそんな風に生きていこうな。」
「うん。私も。毎晩こうして抱っこしてもらったら、それだけでその日一日がイイ日に変わるねん。」
「朝も。目覚めた時に希和の寝顔がすぐ前にあるやろ?最初は、夢なら醒めないでくれ、って思ってた。」
ふふっと希和が笑う。
「醒めへんよ~。この夢みたいに幸せな時間が現実なんやもん。これからもずっと続くの。醒めない夢みたいに。義人さんの腕の中で、一日が始まって、一日が終わるの。」
こんなに幸せなことないよ、と希和がささやく。
……ほんまやな。
幸せだ……。
そう聞いたら、希和は微妙な表情になった。
「ううん。孝義くん、大学は京大志望。大学院だけお寺の学園に行くつもりみたい。春秋くんは、市立芸大。」
バラバラだな。
「ほな、希和は女子大にしたら?坂巻くんの寺の系列の。偏差値も高いし、お母さんの出身校やし。」
「仏教学がないねん。お坊さんはいっぱい指導者にいはるし、国文にも日本史にも仏教系の専門の教授もいはるけど、教義そのものを学ぶ学科じゃないねん。だから、躊躇してる。」
真面目に希和はそうぼやいた。
「あのな。大学の講義やカリキュラムに期待せんほうがいいで?勉強したいなら自分でするしかないんやし。むしろ師事したい教授がいるならそこを目指したほうがいいかもしれん。」
そう言ったら、希和は真剣に考え始めた。
……仏教、か。
希和の血が勝手にそっちに引き寄せられるんだろか。
それとも、坂巻さん家(ち)が巧妙に仕掛けた罠にかかったのか?
いずれにせよ、希和がやりたいなら、止められない。
「希和。たぶんお父さんから話さはると思うけど、戸籍上、坂巻さん家が希和の実家になるから。」
そう言ったら、希和は意味がわからないらしく、ぽかーんとしていた。
「何?何の話?」
「うん。希和と夫婦になるために、めんどくさい手続きがいっぱいあるねんわ。まずは、次の大安吉日の午前中に、俺が父親と母親に『希和子さんと結婚させてください。』ってお願いするねん。で、その次の大安に、希和と2人で両親に挨拶。」
今さらな手順に、希和が笑った。
「嘘~~~。そこから、なの?確かにめんどくさすぎる。」
「うん。俺もめんどくさい。でもな、親たちの愛情やと思といて。それだけ希和を大切に想ってるって証(あかし)。」
そう言ったら、希和は泣きそうな顔でうなずいた。
「どうしよう。幸せ過ぎて夢みたい。」
かわいい希和。
「俺も。」
そう言ってから、そっと希和を抱きしめる。
腕の中の愛しいぬくもりに、心が満たされる。
「希和が幸せ~って笑顔でいてくれたら、俺もどんなに心が荒んでても和やかになって夢みたいに幸せになれるわ。……ずっとそんな風に生きていこうな。」
「うん。私も。毎晩こうして抱っこしてもらったら、それだけでその日一日がイイ日に変わるねん。」
「朝も。目覚めた時に希和の寝顔がすぐ前にあるやろ?最初は、夢なら醒めないでくれ、って思ってた。」
ふふっと希和が笑う。
「醒めへんよ~。この夢みたいに幸せな時間が現実なんやもん。これからもずっと続くの。醒めない夢みたいに。義人さんの腕の中で、一日が始まって、一日が終わるの。」
こんなに幸せなことないよ、と希和がささやく。
……ほんまやな。
幸せだ……。



