お風呂のあとで、啓也くんに相談して、インターネットで調べてみた。
うん。
簡単にできそうな気がする。
プリントアウトしてもらって、翌日、職員さんに相談した。
「希和ちゃんが全部作るの?大丈夫?」
「大丈夫だと思います。……ちょうどいいから、鼻緒作りとすげ替えを、夏休みの自由研究にしようと思います。読書感想文も『たけくらべ』にすると、リンクできそうやし。」
一挙両得、いや、三得だ。
職員さんは、ちょっと感心したようにうなずいて、了承してくれた。
使わない古着や素材を選ばせてもらって、ホクホクしてると、施設長の先生が手招きした。
「希和子ちゃん、ちょっと。」
……悪い予感がする。
「はい。」
ドキドキしながらついてくと、施設長の先生が言った。
「里子の話があるんだけど。その気はないか?」
また、か。
私は返答に窮してうつむいた。
「……そうか。」
言葉にしなくても、施設長の先生はあきらめてくれた。
正直なところ、ホッとした。
ココが好きなわけじゃない。
普通のお家に対する憧れもある。
でも……怖い。
長く施設にいると、里親と合わなくて家出した話とか、セクハラから逃げ出した話なんかも聞こえてくる。
もちろん幸せな話もいっぱいあるのだろうけれど、たいていの場合、現状に満足しているヒトは施設を振り返らないし、交流がなくなる。
だから、どうしても夢や憧れよりも不安が先に立つ。
里親がどんな人かわからないけれど、会ってしまって、もし万が一、私を気に入ってくださったなら……私は断ることができないと思う。
どんなに不安要素を感じても、生理的に好きになれなくても。
里子の話は、結局、4年生の女の子にいった。
これから時間をかけて、交流をして決めていくのだろう。
……うらやましくないと言えば嘘になる。
けど、どうしても、私には踏み出す勇気がない。
あくまで、他人事だった。
一学期の終業式を迎えた。
成績はいつも通り。
体育と図工と音楽以外は満点だから、通知簿もそんな感じ。
そして、生活面で書かれることも同じ。
協調性が乏しく、内向的。
……自分の意見を言って、自我を出したらますます協調性が減るような気がするんだけどな。
そんなことを思いながら、施設に戻って、通知簿を先生に手渡した。
「希和ちゃんは安定してるわねえ。この調子でがんばってね。」
いつも通りの言葉と、なぜか飴をもらった。
うん。
簡単にできそうな気がする。
プリントアウトしてもらって、翌日、職員さんに相談した。
「希和ちゃんが全部作るの?大丈夫?」
「大丈夫だと思います。……ちょうどいいから、鼻緒作りとすげ替えを、夏休みの自由研究にしようと思います。読書感想文も『たけくらべ』にすると、リンクできそうやし。」
一挙両得、いや、三得だ。
職員さんは、ちょっと感心したようにうなずいて、了承してくれた。
使わない古着や素材を選ばせてもらって、ホクホクしてると、施設長の先生が手招きした。
「希和子ちゃん、ちょっと。」
……悪い予感がする。
「はい。」
ドキドキしながらついてくと、施設長の先生が言った。
「里子の話があるんだけど。その気はないか?」
また、か。
私は返答に窮してうつむいた。
「……そうか。」
言葉にしなくても、施設長の先生はあきらめてくれた。
正直なところ、ホッとした。
ココが好きなわけじゃない。
普通のお家に対する憧れもある。
でも……怖い。
長く施設にいると、里親と合わなくて家出した話とか、セクハラから逃げ出した話なんかも聞こえてくる。
もちろん幸せな話もいっぱいあるのだろうけれど、たいていの場合、現状に満足しているヒトは施設を振り返らないし、交流がなくなる。
だから、どうしても夢や憧れよりも不安が先に立つ。
里親がどんな人かわからないけれど、会ってしまって、もし万が一、私を気に入ってくださったなら……私は断ることができないと思う。
どんなに不安要素を感じても、生理的に好きになれなくても。
里子の話は、結局、4年生の女の子にいった。
これから時間をかけて、交流をして決めていくのだろう。
……うらやましくないと言えば嘘になる。
けど、どうしても、私には踏み出す勇気がない。
あくまで、他人事だった。
一学期の終業式を迎えた。
成績はいつも通り。
体育と図工と音楽以外は満点だから、通知簿もそんな感じ。
そして、生活面で書かれることも同じ。
協調性が乏しく、内向的。
……自分の意見を言って、自我を出したらますます協調性が減るような気がするんだけどな。
そんなことを思いながら、施設に戻って、通知簿を先生に手渡した。
「希和ちゃんは安定してるわねえ。この調子でがんばってね。」
いつも通りの言葉と、なぜか飴をもらった。



