終業式が終わるのを待って、私はお母さんを追いかけた。
お母さんは別府温泉の明礬温泉の湯治宿に滞在予定だった。
が、お宿の雰囲気が合わなかったらしく、1泊もせずに海辺の高級旅館に移動して、タクシーで明礬温泉に通ってらした。
「明礬温泉エリアにもいいお宿ありそうなのに。」
「……だって春休みでお部屋が空いてなかったんだもの。」
一人旅の気楽さからか、お母さんは少女のように気ままに過ごしていた。
「居酒屋さんに入ったのよ!それから競輪場にも行ってみたの!意外と綺麗だったわ。」
ビギナーズラックで大きな配当を手にしたらしくお母さんははしゃいでいたけれど、お気に入りの明礬温泉で2人きりになると、突然泣き出した。
「ごめんなさい……こんなつもりなかったのに……」
眼下に広がる鉄輪温泉街の夜景と、黒い海。
さっきまでライトアップされていた夜桜はもう見えない。
白い硫黄のお湯はヒトの心を素直にするのだろうか。
お母さんは、シクシクと泣きながら言った。
「うちに来た時はまだ少女体型だったのに、もう……。」
え!?
身体を見ただけで、処女か見分けつくものなんですか?
これまでもゴールデンウィークやお盆に温泉に行ってたけど……確かに、義人氏とそういう関係になってからは、お母さんとお風呂に入るの初めてかも。
ドキドキしたけど、お母さんは私の肩にお湯をそろそろと掛けながら言った。
「希和ちゃんを一目見て、好きになったの。この子の笑顔が見たいって義人も私も心から思ったの。一生、希和ちゃんと笑顔で生きたかったの。……義人もそう思ってるって信じてたのに……」
……返事できない。
充分、義人氏に愛してもらってますよ~……とも言えないし。
返答に困ってると、お母さんはふわりと私の頬に手を当てた。
「孝義くんとはおつきあいしてないんでしょう?去年の秋……ううん、夏の終わり頃から、義人、また夜遊び辞めたもの。希和ちゃんのおかげでしょう?」
……バレバレ。
時期までぴったり言い当てられて、苦笑するしかなかった。
「ごめんなさい。」
「馬鹿ね。謝ることじゃないわよ。むしろうれしかったのに、こんなことになって、ごめんなさい。」
お母さんはそう言って、ご自分の顔を両手で覆って号泣した。
……助けて~~~。
お母さんは別府温泉の明礬温泉の湯治宿に滞在予定だった。
が、お宿の雰囲気が合わなかったらしく、1泊もせずに海辺の高級旅館に移動して、タクシーで明礬温泉に通ってらした。
「明礬温泉エリアにもいいお宿ありそうなのに。」
「……だって春休みでお部屋が空いてなかったんだもの。」
一人旅の気楽さからか、お母さんは少女のように気ままに過ごしていた。
「居酒屋さんに入ったのよ!それから競輪場にも行ってみたの!意外と綺麗だったわ。」
ビギナーズラックで大きな配当を手にしたらしくお母さんははしゃいでいたけれど、お気に入りの明礬温泉で2人きりになると、突然泣き出した。
「ごめんなさい……こんなつもりなかったのに……」
眼下に広がる鉄輪温泉街の夜景と、黒い海。
さっきまでライトアップされていた夜桜はもう見えない。
白い硫黄のお湯はヒトの心を素直にするのだろうか。
お母さんは、シクシクと泣きながら言った。
「うちに来た時はまだ少女体型だったのに、もう……。」
え!?
身体を見ただけで、処女か見分けつくものなんですか?
これまでもゴールデンウィークやお盆に温泉に行ってたけど……確かに、義人氏とそういう関係になってからは、お母さんとお風呂に入るの初めてかも。
ドキドキしたけど、お母さんは私の肩にお湯をそろそろと掛けながら言った。
「希和ちゃんを一目見て、好きになったの。この子の笑顔が見たいって義人も私も心から思ったの。一生、希和ちゃんと笑顔で生きたかったの。……義人もそう思ってるって信じてたのに……」
……返事できない。
充分、義人氏に愛してもらってますよ~……とも言えないし。
返答に困ってると、お母さんはふわりと私の頬に手を当てた。
「孝義くんとはおつきあいしてないんでしょう?去年の秋……ううん、夏の終わり頃から、義人、また夜遊び辞めたもの。希和ちゃんのおかげでしょう?」
……バレバレ。
時期までぴったり言い当てられて、苦笑するしかなかった。
「ごめんなさい。」
「馬鹿ね。謝ることじゃないわよ。むしろうれしかったのに、こんなことになって、ごめんなさい。」
お母さんはそう言って、ご自分の顔を両手で覆って号泣した。
……助けて~~~。



