「大瀬戸夏子さんって、うちの学園の保健室にいらしてたんでしょ?薬剤師の和田先生が教えてくれたんだけど……お父さんとそういう関係だったんでしょ?だから桜子ちゃん、お父さんの」
「違うんや。」
義人氏は、私の言葉を遮って、しゃがみ込んだ。
違ったの?
あれ?
狐につままれた気分で義人氏のすぐ前に私もしゃがみ込んでみた。
無理矢理苦笑して、義人氏は私を立たせてくれた。
そして、私を抱きしめて言った。
「ごめん。いつか言わなあかんとは思ってた。……桜子は俺の子供や。逢ったことないけどな。」
義人氏の心臓が、あり得ないほどドキドキと早鐘を鳴らしていた。
聞こえなかったことにしたい……。
でも、妙に納得してしまった。
桜子ちゃん、やっぱり義人氏に似てたもん。
美人の大瀬戸夏子さんと、イケメン義人氏のいいとこを集めて綺麗に配置した顔だわ、あれ。
……そっかあ。
既に子供がいたんだ。
今まで、隠してたんだ。
まあ、私と出逢う前の話なんだろうけど……でも、やっぱりショックが大きすぎて……消化できない。
「希和?」
いつまでも何も言わず、抱きしめられてぼんやりしてたら、義人氏が腕の力を緩めて、私の顔を覗き込んだ。
「うん。」
そう返事をしたけれど、まるで自分の声じゃないみたい。
何の感情もこもらない声。
「話、聞く?聞きたくない?」
義人氏にそう聞かれて、視線を落としてため息をついた。
ずるいなあ、なんか。
聞きたくないけど、気になるに決まってるやんか。
義人氏は意を決したように言った。
「俺の中1の夏休みに夏子さんがうちの学校の採用試験を受けにきて、一目惚れした。本気で迫ってるのに子供扱いされて取り合ってもらえんかった。お父さんと夏子さんが不倫してるって勘違いさせられてた。高1でつきあいはじめても一途になることを拒絶されて不安やった。18になったら結婚したいって思ってた。夏子さんを束縛したくて妊娠させるつもりで抱いてた。けど、高3の夏休みに夏子さんは失踪した。」
耳に入ってくる言葉が胸に重く沈んで蓄積されていく。
義人氏の本気……。
中1から高3まで、ずっと?
何?それ。
「俺は必死で夏子さんを探した。お父さんが隠したんちゃうかと思って、それこそ、会社や原さんのパソコンにハッキングかけたり。見つけたんは翌年の秋。夏子さんは初恋の人と再婚してた。俺が見たことないような輝く笑顔で、見たことも会うたこともない、存在自体知らされてない俺の子らしき赤ちゃんと、優しそうな旦那さんと写真に映ってた。それで諦めた。」
「違うんや。」
義人氏は、私の言葉を遮って、しゃがみ込んだ。
違ったの?
あれ?
狐につままれた気分で義人氏のすぐ前に私もしゃがみ込んでみた。
無理矢理苦笑して、義人氏は私を立たせてくれた。
そして、私を抱きしめて言った。
「ごめん。いつか言わなあかんとは思ってた。……桜子は俺の子供や。逢ったことないけどな。」
義人氏の心臓が、あり得ないほどドキドキと早鐘を鳴らしていた。
聞こえなかったことにしたい……。
でも、妙に納得してしまった。
桜子ちゃん、やっぱり義人氏に似てたもん。
美人の大瀬戸夏子さんと、イケメン義人氏のいいとこを集めて綺麗に配置した顔だわ、あれ。
……そっかあ。
既に子供がいたんだ。
今まで、隠してたんだ。
まあ、私と出逢う前の話なんだろうけど……でも、やっぱりショックが大きすぎて……消化できない。
「希和?」
いつまでも何も言わず、抱きしめられてぼんやりしてたら、義人氏が腕の力を緩めて、私の顔を覗き込んだ。
「うん。」
そう返事をしたけれど、まるで自分の声じゃないみたい。
何の感情もこもらない声。
「話、聞く?聞きたくない?」
義人氏にそう聞かれて、視線を落としてため息をついた。
ずるいなあ、なんか。
聞きたくないけど、気になるに決まってるやんか。
義人氏は意を決したように言った。
「俺の中1の夏休みに夏子さんがうちの学校の採用試験を受けにきて、一目惚れした。本気で迫ってるのに子供扱いされて取り合ってもらえんかった。お父さんと夏子さんが不倫してるって勘違いさせられてた。高1でつきあいはじめても一途になることを拒絶されて不安やった。18になったら結婚したいって思ってた。夏子さんを束縛したくて妊娠させるつもりで抱いてた。けど、高3の夏休みに夏子さんは失踪した。」
耳に入ってくる言葉が胸に重く沈んで蓄積されていく。
義人氏の本気……。
中1から高3まで、ずっと?
何?それ。
「俺は必死で夏子さんを探した。お父さんが隠したんちゃうかと思って、それこそ、会社や原さんのパソコンにハッキングかけたり。見つけたんは翌年の秋。夏子さんは初恋の人と再婚してた。俺が見たことないような輝く笑顔で、見たことも会うたこともない、存在自体知らされてない俺の子らしき赤ちゃんと、優しそうな旦那さんと写真に映ってた。それで諦めた。」



