いびつな第2関節に目を落とすと、ついため息が出てしまう。
「気にせんでええって。もう痛くはないんやろ?……で?桜がどうした?あ~……さやか嬢、園遊会にも来る気満々やけど。近づかんでええしな。」
……十文字さやかさん、今年も来るんだ……。
一昨年の園遊会で、私は初めてお見かけした。
去年の園遊会には、招待客としてお着物で来られていた。
今年は……世間で言われてるように、義人氏の婚約者としていらしゃるんだろうか。
しょんぼりしてしまった私の頭をポンポンとして、義人氏が優しく言った。
「なんやったら、孝義くんらと遊んでるか?……そや、今年は啓也くんも来るから、照美ちゃんも呼ぼうか。来年は、美幸ちゃんも来れるといいな。……天花寺(てんげいじ)の恭満(やすみつ)くんも来られることだし、彩乃のとこの咲弥(さきや)くんと菊乃(きくの)ちゃんと、ついでに小門(こかど)んとこの光くんと薫くんも呼ぼうか。にぎやかやとお母さんも喜ぶし。」
百合子さんと碧生(あおい)さんの長男の恭満くんは今年3歳になるのかな。
既に恭匡(やすまさ)さんによる英才教育が始まり、一緒にお稽古していても賑やかで微笑ましい。
義人氏の親友の彩乃さんのところでも、既に跡取り教育は始まっているらしく、まだ小さいのに行儀のいい子達だ。
光くんは今小学2年生だけど、相変わらず引っ込み思案。
保育園のガキ大将におさまっている次男の薫くんが光くんの通訳をしてくれるそうだ。
子供たちの走り回る姿を思い浮かべるだけで、頬が緩む。
……あ、そうだ。
忘れてた。
どうも私は、会話が流れてくと、言いたかったことを言えないまま忘れてしまう。
「桜子ちゃんは、呼んじゃダメなのよね?」
突然、禁断の名前を出した私に、義人氏は本気で狼狽していた。
……あれ?
何だろう。
思ってた反応と違うかも。
「希和?誰のこと言うてる?」
取り繕おうとしてる義人氏が不自然過ぎて……
「大瀬戸夏子さんの娘さんの桜子ちゃん。お父さんが、お母さんと由未お姉ちゃんには内緒って言ってたから……」
てっきり義人氏には言っていいんだと思ってた。
でも、この義人氏の表情……
「骨折した時に、すぐに病院に連れてってくださったの。綺麗なヒトだと思ったら、お父さんが桜子ちゃんを預かってて……走ってきた桜子ちゃんとぶつかって……」
額を押さえた義人氏に、私も動揺してきたらしく説明がめちゃくちゃ。
「気にせんでええって。もう痛くはないんやろ?……で?桜がどうした?あ~……さやか嬢、園遊会にも来る気満々やけど。近づかんでええしな。」
……十文字さやかさん、今年も来るんだ……。
一昨年の園遊会で、私は初めてお見かけした。
去年の園遊会には、招待客としてお着物で来られていた。
今年は……世間で言われてるように、義人氏の婚約者としていらしゃるんだろうか。
しょんぼりしてしまった私の頭をポンポンとして、義人氏が優しく言った。
「なんやったら、孝義くんらと遊んでるか?……そや、今年は啓也くんも来るから、照美ちゃんも呼ぼうか。来年は、美幸ちゃんも来れるといいな。……天花寺(てんげいじ)の恭満(やすみつ)くんも来られることだし、彩乃のとこの咲弥(さきや)くんと菊乃(きくの)ちゃんと、ついでに小門(こかど)んとこの光くんと薫くんも呼ぼうか。にぎやかやとお母さんも喜ぶし。」
百合子さんと碧生(あおい)さんの長男の恭満くんは今年3歳になるのかな。
既に恭匡(やすまさ)さんによる英才教育が始まり、一緒にお稽古していても賑やかで微笑ましい。
義人氏の親友の彩乃さんのところでも、既に跡取り教育は始まっているらしく、まだ小さいのに行儀のいい子達だ。
光くんは今小学2年生だけど、相変わらず引っ込み思案。
保育園のガキ大将におさまっている次男の薫くんが光くんの通訳をしてくれるそうだ。
子供たちの走り回る姿を思い浮かべるだけで、頬が緩む。
……あ、そうだ。
忘れてた。
どうも私は、会話が流れてくと、言いたかったことを言えないまま忘れてしまう。
「桜子ちゃんは、呼んじゃダメなのよね?」
突然、禁断の名前を出した私に、義人氏は本気で狼狽していた。
……あれ?
何だろう。
思ってた反応と違うかも。
「希和?誰のこと言うてる?」
取り繕おうとしてる義人氏が不自然過ぎて……
「大瀬戸夏子さんの娘さんの桜子ちゃん。お父さんが、お母さんと由未お姉ちゃんには内緒って言ってたから……」
てっきり義人氏には言っていいんだと思ってた。
でも、この義人氏の表情……
「骨折した時に、すぐに病院に連れてってくださったの。綺麗なヒトだと思ったら、お父さんが桜子ちゃんを預かってて……走ってきた桜子ちゃんとぶつかって……」
額を押さえた義人氏に、私も動揺してきたらしく説明がめちゃくちゃ。



