大人げないことは言いたくなかったので、笑顔を貼り付けて話しかけた。
「部活どう?今年は、」
「……出場できませんでした。」
せめて一回戦勝てた?と聞くつもりだったのに、そうか……出場すらできなかったのか。
「今、部員何人?」
「今年は、1、2年生合わせて13人のはずなんやけど、その半分ぐらいしか来ないので。」
坂巻くんはため息まじりにそう言った。
「ふーん?部活やめて、クラブチームに所属したら?それじゃ練習できないだろうに。」
……それでも坂巻くんは、くそ真面目に朝練もすれば、土日も練習してんだよな。
何でそんなにがんばるんだろ?
どんなに独りでがんばって練習してても、人数が足りなくて試合に出られないなんて、虚しくならないんだろうか。
「……まあ、精神鍛錬なんで。マイペースで頑張れるんで、部活がちょうどいいです。」
坂巻くんは、そんな風に言ってのけた。
……かわいくないよ、坂巻くん。
俺は言葉を失って、ただ苦笑いした。
「お兄ちゃん、お待たせー。あ、孝義(たかよし)くん!早っ!」
希和と朝秀くんが賑やかにやってきた。
「ほんまに早いな。俺らかて、掃除サボって飛んできたのに。」
朝秀くんがそう言うと、希和はぷるぷると首を横に振った。
「サボってない!私は当番ちゃうもん。サボったんは春秋くんだけ。」
……誰に対して言い訳してるんだ?希和。
俺か?
それとも、坂巻くんか?
悶々とする。
「……てか、お前らのクラス、全然掃除してへんやん。掃除は教育やのに。担任、手ぇ抜き過ぎ。ちゃんと指導しろや。」
坂巻くんがそう言うと、希和の頬が赤く染まった。
恥じてるようだ。
……おもしろくない。
13時過ぎに我家に到着した。
「これ何の花?」
ガレージから家へと続くアプローチの途中で、坂巻くんが希和に尋ねた。
「これは、ホタルブクロ。……丘の向こうの小川の近くにいっぱい咲いてるわ。後で見に行く?」
希和がそう言うと、坂巻くんはうなずいた。
「ホタルブクロ、か。ふーん。これが。」
……ホタルブクロにも色の濃淡があり、よくある紫から、水色、白、ピンク。
俺の好きなのは、桔梗色のホタルブクロ。
「花言葉は、正義、貞節、愛らしさ、忠実、誠実、忠誠、感謝、呪文、悲しい時の君が大好き。」
「女々しい花。」
坂巻くんは吐き捨てるようにそう言ってから、朝秀くんの後を追った。
……女々しいと一蹴されてしまったかわいそうなホタルブクロにそっと触れた。
ドンマイ、俺は大好きだよ。
「部活どう?今年は、」
「……出場できませんでした。」
せめて一回戦勝てた?と聞くつもりだったのに、そうか……出場すらできなかったのか。
「今、部員何人?」
「今年は、1、2年生合わせて13人のはずなんやけど、その半分ぐらいしか来ないので。」
坂巻くんはため息まじりにそう言った。
「ふーん?部活やめて、クラブチームに所属したら?それじゃ練習できないだろうに。」
……それでも坂巻くんは、くそ真面目に朝練もすれば、土日も練習してんだよな。
何でそんなにがんばるんだろ?
どんなに独りでがんばって練習してても、人数が足りなくて試合に出られないなんて、虚しくならないんだろうか。
「……まあ、精神鍛錬なんで。マイペースで頑張れるんで、部活がちょうどいいです。」
坂巻くんは、そんな風に言ってのけた。
……かわいくないよ、坂巻くん。
俺は言葉を失って、ただ苦笑いした。
「お兄ちゃん、お待たせー。あ、孝義(たかよし)くん!早っ!」
希和と朝秀くんが賑やかにやってきた。
「ほんまに早いな。俺らかて、掃除サボって飛んできたのに。」
朝秀くんがそう言うと、希和はぷるぷると首を横に振った。
「サボってない!私は当番ちゃうもん。サボったんは春秋くんだけ。」
……誰に対して言い訳してるんだ?希和。
俺か?
それとも、坂巻くんか?
悶々とする。
「……てか、お前らのクラス、全然掃除してへんやん。掃除は教育やのに。担任、手ぇ抜き過ぎ。ちゃんと指導しろや。」
坂巻くんがそう言うと、希和の頬が赤く染まった。
恥じてるようだ。
……おもしろくない。
13時過ぎに我家に到着した。
「これ何の花?」
ガレージから家へと続くアプローチの途中で、坂巻くんが希和に尋ねた。
「これは、ホタルブクロ。……丘の向こうの小川の近くにいっぱい咲いてるわ。後で見に行く?」
希和がそう言うと、坂巻くんはうなずいた。
「ホタルブクロ、か。ふーん。これが。」
……ホタルブクロにも色の濃淡があり、よくある紫から、水色、白、ピンク。
俺の好きなのは、桔梗色のホタルブクロ。
「花言葉は、正義、貞節、愛らしさ、忠実、誠実、忠誠、感謝、呪文、悲しい時の君が大好き。」
「女々しい花。」
坂巻くんは吐き捨てるようにそう言ってから、朝秀くんの後を追った。
……女々しいと一蹴されてしまったかわいそうなホタルブクロにそっと触れた。
ドンマイ、俺は大好きだよ。



