……テスト勉強?
「ええで。このまま図書館行くだけやし、迎えに行くわ。昼飯は?うちで?お母さん、準備してはるん?」
「うん。昨日お願いしてある。」
希和は何となく緊張してるように見えた。
俺に気を遣ってるのか?
……聞くまでもなくいつもの面子……朝秀くんと坂巻くんだろ。
今さら過剰反応しないさ。
うちで勉強するだけならな。
ゴールデンウィークに、俺に坂巻くんとつきあうと宣言した希和だが、見たところ、まだ2人はそういう関係じゃない。
坂巻くんは以前にも増して希和に気を遣ってくれているし、希和への好意は腹が立つぐらいビシビシ伝わってくる。
でも希和自身は、まだ坂巻くんに距離を置いている。
むしろ俺の反応を気にして、一歩も動けないように見える。
……この膠着状態がずっと続けばいい。
そんな無意味な願いを抱くほどに、俺もまた、希和と同じように臆病になっていた。
「あ~。お兄さん。ちょ~、聞きたいことあるねん。」
図書館内であおいちゃんにバッタリ会った。
「うん?……あ、わかった。由未から聞いたん?京都戻るって。」
あおいちゃんは、第二子の薫くんを出産して、この4月から大学に復帰している。
「聞いた聞いた。来年由未ちゃんら帰って来はりよーって。……それでな、ちょー、心配なってんけど……私とこがお家借りとーから、わざわざ別のお家を買わはったんじゃないかと……由未ちゃんは否定してくれとーけど……」
なるほど。
まあ、そうだよな。
普通は、気になるよな。
でも、恭匡さんやからなあ。
「うーん、気にしんでいいと思うで?恭匡さん、今、あおいちゃが住んでる家には何の愛着もないねんわ。極端な話、新しく買わはった古いお屋敷に住みたいがためだけに京都に引っ越して来はるんやから。」
そう言ったら、あおいちゃんの眉間に縦皺が寄った。
不機嫌な顔してても美人は絵になるなあ。
「……タダで貸してもろといて、こんなん言いよったら失礼やけど……お公家さんの感覚って、わからん。」
「うん。俺も、正直、わからん。損得勘定とか計画性とか、全くないんやろな。」
しみじみとそう言って、あおいちゃんと笑い合った。
昼過ぎに大学を出て、車で希和を迎えに行った。
4時間めが終わってしばらくすると、生徒がぞろぞろと下校を始めた。
最初に車に近寄って来たのは、坂巻くんだった。
「こんにちわ。」
言葉も態度も礼儀正しいけど、瞳が挑戦的!
「やあ。どうぞ。乗って。」
そう言って、後部座席を指さした。
「お邪魔します。」
……何故か、坂巻くんは助手席に乗り込んできた。
そこは、希和の席なのに。
「ええで。このまま図書館行くだけやし、迎えに行くわ。昼飯は?うちで?お母さん、準備してはるん?」
「うん。昨日お願いしてある。」
希和は何となく緊張してるように見えた。
俺に気を遣ってるのか?
……聞くまでもなくいつもの面子……朝秀くんと坂巻くんだろ。
今さら過剰反応しないさ。
うちで勉強するだけならな。
ゴールデンウィークに、俺に坂巻くんとつきあうと宣言した希和だが、見たところ、まだ2人はそういう関係じゃない。
坂巻くんは以前にも増して希和に気を遣ってくれているし、希和への好意は腹が立つぐらいビシビシ伝わってくる。
でも希和自身は、まだ坂巻くんに距離を置いている。
むしろ俺の反応を気にして、一歩も動けないように見える。
……この膠着状態がずっと続けばいい。
そんな無意味な願いを抱くほどに、俺もまた、希和と同じように臆病になっていた。
「あ~。お兄さん。ちょ~、聞きたいことあるねん。」
図書館内であおいちゃんにバッタリ会った。
「うん?……あ、わかった。由未から聞いたん?京都戻るって。」
あおいちゃんは、第二子の薫くんを出産して、この4月から大学に復帰している。
「聞いた聞いた。来年由未ちゃんら帰って来はりよーって。……それでな、ちょー、心配なってんけど……私とこがお家借りとーから、わざわざ別のお家を買わはったんじゃないかと……由未ちゃんは否定してくれとーけど……」
なるほど。
まあ、そうだよな。
普通は、気になるよな。
でも、恭匡さんやからなあ。
「うーん、気にしんでいいと思うで?恭匡さん、今、あおいちゃが住んでる家には何の愛着もないねんわ。極端な話、新しく買わはった古いお屋敷に住みたいがためだけに京都に引っ越して来はるんやから。」
そう言ったら、あおいちゃんの眉間に縦皺が寄った。
不機嫌な顔してても美人は絵になるなあ。
「……タダで貸してもろといて、こんなん言いよったら失礼やけど……お公家さんの感覚って、わからん。」
「うん。俺も、正直、わからん。損得勘定とか計画性とか、全くないんやろな。」
しみじみとそう言って、あおいちゃんと笑い合った。
昼過ぎに大学を出て、車で希和を迎えに行った。
4時間めが終わってしばらくすると、生徒がぞろぞろと下校を始めた。
最初に車に近寄って来たのは、坂巻くんだった。
「こんにちわ。」
言葉も態度も礼儀正しいけど、瞳が挑戦的!
「やあ。どうぞ。乗って。」
そう言って、後部座席を指さした。
「お邪魔します。」
……何故か、坂巻くんは助手席に乗り込んできた。
そこは、希和の席なのに。



