どうフォローしようか、言葉を選んでいると、希和子ちゃんが目を伏せて言った。
「……前向きなさよならもあるから。」
前向き?
「……うん。いっそ、縁を切ってしまえたほうが楽だと思うこともある。」
照美ちゃんがそう言って、ため息をついた。
そういや、照美ちゃんはお父さんの暴力から避難してるんだっけ。
「さよならから始まる関係も、あるし。」
いつの間にか、俺の腕を美幸ちゃんがぎゅっと握っていた。
「てか、義人さんはさー、ゴソッとさよならして、人員整理したほうがいいんちゃう?うちの保育士の先生も気ぃあるっぽいで?」
啓也くんにそう言われて、俺は苦笑した。
また、だ。
9つも10も歳下の子達に、よけいな気を遣わせてしまった気がする。
くやしいけど、俺よりこの子達のほうがずっとつらい目に遭ってきてて、精神的にオトナなのかもしれない。
その年の祇園祭は、イマイチ楽しめなかった。
宵々々山、宵々山、宵山と、それぞれ別の女の子と約束していたし、予定通りデートをフルコースこなしたが、小学生高学年ぐらいの子ども達を見かける度に胸が痛んだ。
無理しても、何とか連れてきてあげればよかった……と、何度も後悔した。
せめて大文字の送り火は、一緒に過ごせないものだろうか。
鉾の巡行は、親友の彩乃たちとランチを楽しみながら見下ろした。
「じゃあ、燈子ちゃん、今頃飛行機?」
彩乃の弟子で、かつ、彩乃の恋人のあきちゃんの親友の藤木燈子ちゃんは、ニューヨーク在住のオランダ人とつきあっている。
「うん。もはや毎年恒例。宵山のお囃子の巡行について回って、お酒のご相伴に預かってから、朝までカラオケして、朝イチの電車で空港に行かはった。飛行機の中で寝はるねん。」
「元気やな~。ほな、彩乃とあきちゃんも睡眠不足?」
何の気なしにそう聞いたら、2人は顔を見合わせて赤くなった。
……なるほど。
しっぽりヤッてたわけだ。
「ごめん。野暮なこと聞いた。あー、じゃあ、俺、行くわ。」
彩乃だけなら全然平気だけど、あきちゃんがいるのにあまりそーゆー話題は、なあ。
正直なところ、俺もやっと明け方眠った程度だ。
帰って寝てもいいんだけど……結局いそいそと養護施設に行ってしまった。
たった3日会わなかっただけなのに、あの子達が恋しい。
鉾町で買ったお菓子やグッズを抱えて、施設を訪ねた。
あれ?
何となく、いつもと違う。
児童がいっぱいいる。
「……前向きなさよならもあるから。」
前向き?
「……うん。いっそ、縁を切ってしまえたほうが楽だと思うこともある。」
照美ちゃんがそう言って、ため息をついた。
そういや、照美ちゃんはお父さんの暴力から避難してるんだっけ。
「さよならから始まる関係も、あるし。」
いつの間にか、俺の腕を美幸ちゃんがぎゅっと握っていた。
「てか、義人さんはさー、ゴソッとさよならして、人員整理したほうがいいんちゃう?うちの保育士の先生も気ぃあるっぽいで?」
啓也くんにそう言われて、俺は苦笑した。
また、だ。
9つも10も歳下の子達に、よけいな気を遣わせてしまった気がする。
くやしいけど、俺よりこの子達のほうがずっとつらい目に遭ってきてて、精神的にオトナなのかもしれない。
その年の祇園祭は、イマイチ楽しめなかった。
宵々々山、宵々山、宵山と、それぞれ別の女の子と約束していたし、予定通りデートをフルコースこなしたが、小学生高学年ぐらいの子ども達を見かける度に胸が痛んだ。
無理しても、何とか連れてきてあげればよかった……と、何度も後悔した。
せめて大文字の送り火は、一緒に過ごせないものだろうか。
鉾の巡行は、親友の彩乃たちとランチを楽しみながら見下ろした。
「じゃあ、燈子ちゃん、今頃飛行機?」
彩乃の弟子で、かつ、彩乃の恋人のあきちゃんの親友の藤木燈子ちゃんは、ニューヨーク在住のオランダ人とつきあっている。
「うん。もはや毎年恒例。宵山のお囃子の巡行について回って、お酒のご相伴に預かってから、朝までカラオケして、朝イチの電車で空港に行かはった。飛行機の中で寝はるねん。」
「元気やな~。ほな、彩乃とあきちゃんも睡眠不足?」
何の気なしにそう聞いたら、2人は顔を見合わせて赤くなった。
……なるほど。
しっぽりヤッてたわけだ。
「ごめん。野暮なこと聞いた。あー、じゃあ、俺、行くわ。」
彩乃だけなら全然平気だけど、あきちゃんがいるのにあまりそーゆー話題は、なあ。
正直なところ、俺もやっと明け方眠った程度だ。
帰って寝てもいいんだけど……結局いそいそと養護施設に行ってしまった。
たった3日会わなかっただけなのに、あの子達が恋しい。
鉾町で買ったお菓子やグッズを抱えて、施設を訪ねた。
あれ?
何となく、いつもと違う。
児童がいっぱいいる。



