「ほな、また話聞かせて。明日か明後日、会いに行くわ。まだ解散ちゃうんやろ?戻らんと、怒られへんか?」
通路のずっと向こうに小学生の団体が見える。
「今、トイレ行ってる奴らを待ってるとこ。希和ちゃんが、義人さんっぽい人がいるってゆーから、見に来てん。」
希和子ちゃんの名前が出ると、俺の酔いが少し醒めた気がした。
彼女も、旅行を楽しめただろうか。
どんな服を着てるのだろう。
喜んでくれただろうか。
「じゃあ、挨拶しとこーかな。美幸ちゃんと、希和子ちゃんにも。」
俺はそう言って啓也くんとともに団体のほうへ向かった。
本当なら教師に挨拶したいところだが、俺は今、明らかに酔ってるので逆効果だろう。
なるべく身を屈めて、小学生に紛れ込んだ。
「義人さーん!あれ?酒臭っ!」
美幸ちゃんに指摘され、慌てて口を手で覆った。
「ごめんごめん。……旅行、楽しかった?」
「うん!あ、お土産あるよー。希和ちゃん!」
美幸ちゃんが手招きすると、人影から希和子ちゃんが現れた。
相変わらず、髪はボサボサだけど、ひらひらした明るい水色の可愛い服を着ていた。
いかにも乙女趣味の母親が選んだらしい服だったけれど、硬質な希和子ちゃんを少し柔らかく見せていた。
笑顔ならもっとかわいいと思うんだけど……通常運転だな。
苦笑を隠して話しかけた。
「楽しかった?」
希和子ちゃんは黙ってうなずいた。
「怖くなかった?広島で原爆記念館とか見たんやろ?」
そう尋ねると、美幸ちゃんが快活に笑った。
「怖いっちゅーか、きしょい!せやし私はあまり見んようにしてたけど、希和ちゃんはじっくり見てしもてん。ねー?せやし、夜、寝られへんかってんろ?ずっと泣いてたで。」
え?
泣いてた?
希和子ちゃんは少し恥ずかしそうにくちびるを噛んだ。
前髪でわかりにくいけど、確かにまぶたが腫れてるかもしれない。
かわいそうに……。
「あ!そうや!セフレと、いっぱいいる彼女のうちの1人、との違いについて、寝しなにみんなで討論してん。」
啓也くんが突然ぶっこんできた。
おいおいおい!
教師に聞こえないか、慌てて周囲を見回した。
「そーゆー話はこんなとこでしたらあかんって!また後日……」
声をひそめてそう言うと、希和子ちゃんがボソッと突っ込んだ。
「最低なことしてる自覚はあったんですね。」
……傷ついた。
グッサリと、胸に突き刺さった。
通路のずっと向こうに小学生の団体が見える。
「今、トイレ行ってる奴らを待ってるとこ。希和ちゃんが、義人さんっぽい人がいるってゆーから、見に来てん。」
希和子ちゃんの名前が出ると、俺の酔いが少し醒めた気がした。
彼女も、旅行を楽しめただろうか。
どんな服を着てるのだろう。
喜んでくれただろうか。
「じゃあ、挨拶しとこーかな。美幸ちゃんと、希和子ちゃんにも。」
俺はそう言って啓也くんとともに団体のほうへ向かった。
本当なら教師に挨拶したいところだが、俺は今、明らかに酔ってるので逆効果だろう。
なるべく身を屈めて、小学生に紛れ込んだ。
「義人さーん!あれ?酒臭っ!」
美幸ちゃんに指摘され、慌てて口を手で覆った。
「ごめんごめん。……旅行、楽しかった?」
「うん!あ、お土産あるよー。希和ちゃん!」
美幸ちゃんが手招きすると、人影から希和子ちゃんが現れた。
相変わらず、髪はボサボサだけど、ひらひらした明るい水色の可愛い服を着ていた。
いかにも乙女趣味の母親が選んだらしい服だったけれど、硬質な希和子ちゃんを少し柔らかく見せていた。
笑顔ならもっとかわいいと思うんだけど……通常運転だな。
苦笑を隠して話しかけた。
「楽しかった?」
希和子ちゃんは黙ってうなずいた。
「怖くなかった?広島で原爆記念館とか見たんやろ?」
そう尋ねると、美幸ちゃんが快活に笑った。
「怖いっちゅーか、きしょい!せやし私はあまり見んようにしてたけど、希和ちゃんはじっくり見てしもてん。ねー?せやし、夜、寝られへんかってんろ?ずっと泣いてたで。」
え?
泣いてた?
希和子ちゃんは少し恥ずかしそうにくちびるを噛んだ。
前髪でわかりにくいけど、確かにまぶたが腫れてるかもしれない。
かわいそうに……。
「あ!そうや!セフレと、いっぱいいる彼女のうちの1人、との違いについて、寝しなにみんなで討論してん。」
啓也くんが突然ぶっこんできた。
おいおいおい!
教師に聞こえないか、慌てて周囲を見回した。
「そーゆー話はこんなとこでしたらあかんって!また後日……」
声をひそめてそう言うと、希和子ちゃんがボソッと突っ込んだ。
「最低なことしてる自覚はあったんですね。」
……傷ついた。
グッサリと、胸に突き刺さった。



