てか、朝秀くんと、そんな噂話するほど打ち解けてるのかよ。
希和~~~~。
「はじめまして。朝秀です。先輩のこと、覚えてますよ。てか、憧れてました!体育祭も学園祭も、俺、見に行ってたんですよ。入学式の時に竹原先輩をお見かけしてびっくりしました。」
朝秀くんは頬を上気させて、一気にそう言った。
お世辞じゃなく本音らしい。
「へえ?それで、希和を委員に引っ張ったん?……あんまり面倒に巻き込まんといてやってくれるか?勉強も読書もしたいやろし、これから習い事もする予定やし、部活もしたいやろし。」
「お兄さん……マジで、おとなげない。」
希和にそう言われて、俺は気恥ずかしくなった。
朝秀くんは至極まじめにうなずいた。
「わかります!心配ですよね。竹原さん、何か雰囲気あるから。大丈夫です!俺、竹原さんに変な虫がつかないように守りますから!」
お前は虫じゃないのかよ。
イイ奴なんだろうけど、気に入らない。
「虫って。」
苦笑いしてる希和に、朝秀くんが言った。
「竹原さん、ぱっと見ぃ、隙だらけやから。」
「……へぇ。」
相づちがついつい暗く沈む。
小学校でも、施設でも、希和は浮いていた。
啓也くんと美幸ちゃんだけがお友達のようだったし……すっかり失念していた。
希和は、すこぶる美人というわけではないが、庇護欲をかきたてるかわいらしさがあることを。
さすがにもう一度、金を払う気まではないらしく、希和が受付を済ますと、朝秀くんは列からはずれた。
さっさと参拝し直して帰ればいいのに、朝秀くんは俺のそばに立った。
「竹原さん、何の字を書くんでしょうね。希望の希かなぁ。名前も希和子ちゃんですよね。」
「……まあ、名前の一字を書く子が多いよな。」
そう返事したけれど、希和が希の字を書くとは思えない。
希の字に対する悪いイメージは取り除いたと思うけど、だからと言って、あの希和が「希望」を頼みにするか?
愛とか夢もそぐわない気がする。
むしろ、知とか……
遠巻きに見守ってると、希和は準備された筆ペンで意外な字を書いた。
「義?……義?……え?義?……先輩……義人さん、でしたよね……」
隣で朝秀くんが何度も確認して、そして独りで納得して肩を落とした。
「……そっか。そういうことか。まあ、そりゃそうですよね……はは。先輩、モテモテですよね、今も。あ~……。」
いや。
たぶん、そうじゃないぞ、朝秀くん。
希和が俺に気がないことは一目瞭然だ。
でも、俺にとって非常に都合のいい誤解をしてくれているようなので、俺は苦笑で誤魔化した。
「希和に虫が付かないように、頼むわ。朝秀くん。」
さっきまでとは別人のように余裕ぶってそう言った自分に、心の中で笑った。
9つ下の男子に、何をやってんだか。
希和~~~~。
「はじめまして。朝秀です。先輩のこと、覚えてますよ。てか、憧れてました!体育祭も学園祭も、俺、見に行ってたんですよ。入学式の時に竹原先輩をお見かけしてびっくりしました。」
朝秀くんは頬を上気させて、一気にそう言った。
お世辞じゃなく本音らしい。
「へえ?それで、希和を委員に引っ張ったん?……あんまり面倒に巻き込まんといてやってくれるか?勉強も読書もしたいやろし、これから習い事もする予定やし、部活もしたいやろし。」
「お兄さん……マジで、おとなげない。」
希和にそう言われて、俺は気恥ずかしくなった。
朝秀くんは至極まじめにうなずいた。
「わかります!心配ですよね。竹原さん、何か雰囲気あるから。大丈夫です!俺、竹原さんに変な虫がつかないように守りますから!」
お前は虫じゃないのかよ。
イイ奴なんだろうけど、気に入らない。
「虫って。」
苦笑いしてる希和に、朝秀くんが言った。
「竹原さん、ぱっと見ぃ、隙だらけやから。」
「……へぇ。」
相づちがついつい暗く沈む。
小学校でも、施設でも、希和は浮いていた。
啓也くんと美幸ちゃんだけがお友達のようだったし……すっかり失念していた。
希和は、すこぶる美人というわけではないが、庇護欲をかきたてるかわいらしさがあることを。
さすがにもう一度、金を払う気まではないらしく、希和が受付を済ますと、朝秀くんは列からはずれた。
さっさと参拝し直して帰ればいいのに、朝秀くんは俺のそばに立った。
「竹原さん、何の字を書くんでしょうね。希望の希かなぁ。名前も希和子ちゃんですよね。」
「……まあ、名前の一字を書く子が多いよな。」
そう返事したけれど、希和が希の字を書くとは思えない。
希の字に対する悪いイメージは取り除いたと思うけど、だからと言って、あの希和が「希望」を頼みにするか?
愛とか夢もそぐわない気がする。
むしろ、知とか……
遠巻きに見守ってると、希和は準備された筆ペンで意外な字を書いた。
「義?……義?……え?義?……先輩……義人さん、でしたよね……」
隣で朝秀くんが何度も確認して、そして独りで納得して肩を落とした。
「……そっか。そういうことか。まあ、そりゃそうですよね……はは。先輩、モテモテですよね、今も。あ~……。」
いや。
たぶん、そうじゃないぞ、朝秀くん。
希和が俺に気がないことは一目瞭然だ。
でも、俺にとって非常に都合のいい誤解をしてくれているようなので、俺は苦笑で誤魔化した。
「希和に虫が付かないように、頼むわ。朝秀くん。」
さっきまでとは別人のように余裕ぶってそう言った自分に、心の中で笑った。
9つ下の男子に、何をやってんだか。



