『まもなく、次の演目が始まります。
次は合唱部の発表です』
体育館に放送が流れ、部員は舞台袖で3列に並んで準備をする。
友香はソロがあるので、1番前の列に並んだ。
体育館とステージの照明が消え、いよいよ本番、という雰囲気が流れる。
ぴんと背筋を伸ばしてステージの上まで歩き始めた。
並びおわると、それと同時くらいにステージか照明により明るくなる。
明るくなると、ステージから客席の様子は見えにくくなった。
だが拍手が鳴っているので、そこに観客がいることは分かる。
少しだけ目を凝らして、友香は昇の姿を探した。
こう暗くては、なかなか見つからない。
それでも、もしかしたら、と期待はしていて。
今から本番だとゆうのに、つい探すことに躍起になってしまう。
指揮者が指揮を振り出し、ピアノ伴奏が流れ始める。
友香はそこで探すのを諦め、遠くを見据えると、偶然探していた人物が目に止まった。


