「俺さ…
実はこの前、宮内さんに告白したんだ」
「…うん」
告白現場に、昇は偶然居合わせた。
そのことを、誠も、おそらく友香も知らない。
誠の口からはっきりと聞いて、
ふいに、
誠が友香に告白したときのことが頭に浮かんだ。
「昨日、返事もらったんだけどさ、」
「…うん」
「…すっぱり振られたよ」
「そ、っか…」
ステージの上に合唱部が現れ、拍手が響いた。
反応してステージのほうに目をやり、
昇はつい友香の姿を探してしまう。
3列に並んだ、1番前の列に友香はいた。
「昇も、
宮内さんのこと、好きなんだろ?」


