「昇ってせっかち?まあいいけど。それより私の名前覚えた?」

またか、と昇は思いながらも、

「…宮内友香」

と言う。

「はい。私のことも下の名前で呼んでいいよ」

友香はにこっと笑いながら返事をした。

そして、ようやく本題らしい話を始める。

「…話したいって言ったんだけど、実際何を話したいのか、

私にも分からないの。


ただ昨日、昇ってほかの人となんか違うなって思って。


だから、

そうだな…


今日は昇のこと聞きたい」



俺の話?



昇はますます戸惑った。


だが、

友香になら、

話してもいいのではないだろうか、

という思いが頭の中にあった。