思いがけない単語に困惑し、しばし固まる。 今、なんと言っただろうか、と。 少し考えてから、 「別に、謝られることされてないけど…」 と言い、椅子に座りなおした。 どことなくぎこちない会話は、昇の気持ちを降下させる。 謝られたことは嬉しいのだが、どうしても会話が他人行儀で落ち着かない。 以前はどうやって誠と話をしていただろうか。 そういえば、自分から話し掛けたことはなかったな、と目を細めた。