クラスの出し物は「仮装喫茶」になるらしい。
その結果に友香も少し気落ちしていた。
しかも、シフト制だから必ず1度は接客をしないといけない。
そして極め付けは仮装だ。
仮装なんて恥ずかしいじゃん!
なんでみんなそんなに喜んでるの!?
そんなことを思いながら友香はため息を落とす。
すると、また後ろから肩を叩かれた。
誠だ。
「ねぇ、宮内さん。
さっき女子たちに囲まれたとき、問い詰められてたけど…
やっぱり昇のこと好きなの?」
「ぇ…と」
なんて言おう…
友香が目を泳がすと、誠は話を変えた。
「ま、いーけど。
昇はあんまりそういうのに興味ないからやめといたほうがいいと思うよ?」
誠の言葉にさっきの昇の言ったことを思い出す。
“…別に”
別に、
ってやっぱりそういうことなのかな…
誠はそんな友香を見て少し寂しそうな表情を見せた。
友香がその誠の表情に気付くことはなかったが。


