「おはよー…」


眠い目をこすりながら友香は教室に入る。

昇との会話を思い出して、
昨日はあまり眠れなかったのだ。

自分の責任でもあるから。

友香が教室に入ると一斉に女子に囲まれた。


またか!


と思いつつも友香は

「…何?」

と聞く。

「昨日、
友香ちゃんと笹木くんが一緒に帰るの見たって子がいるんだけど、
2人って付き合ってるの?!」

突然予想していなかった質問をなげかけられ、友香は困惑する。

「は、な、なんで!?付き合ってないよ!!」

慌てて出た言葉。

「でも好きなんでしょ?」

と聞いたのは恵利子。

この質問にはさすがにすぐには返事ができなかった。

人気があるというのは、この前聞いたが、これほどまでとは…

と友香は思った。

じりじりと詰め寄ってくるみんなに、どうしようかと考えていると

ガラッ

と扉が開いた。

入ってきたのは昇だ。

昇は女子に取り囲まれている友香を一瞬見て、その場を離れようとする。

だが、恵利子が昇に声をかけた。


「ねぇ笹木くん、友香のこと好きなの?」


そんな恵利子の行動に、
友香は「え――――!!??」と心の中で叫んでいた。