下校時間となり、昇は罰掃除をしに行く。

今日はグラウンドの隅だった。

よく使うはずのグラウンドであるにも関わらず、草が茂っている。

昇ははぁっとため息を落とした。


9月といえど、まだ少し暑い。

ときどき休みながら、それでも草を抜いていた。

グラウンドは学校の門を出てからの道に面している。

そのため、昇は下校していく生徒達に見られ、
ひそひそと何かささやかれていた。

しばらくしてから誠が友達と下校していくのが目にとまった。

誠もこちらに気付き、目が合う。

申し訳なさそうな顔をしたようにも見えたが、誠はそのまま友達と帰って行った。