目が覚めたのは朝8時。

起き上がるとき、やはり体に残る鈍痛。

ゆっくりとした動作で準備をし、居間へと向かう。


母はちょうど家を出た頃だった。

机の上には昨日渡したプリントが置いてあった。

サインと印鑑もちゃんと押してある。

それをカバンにいれて、家を出た。

おそらくまた遅刻だろう。

だからそんなに慌てない。



学校に着き、教室に入ったときはホームルームが始まっていた。

どうやら来月の文化祭についての話し合いをしているようだ。

「笹木ー、また遅刻かぁ?」

荒谷が教室に入った昇に声をかける。

少しだけ、頭を下げる動作をしながら自分の席に着いた。

「10月8日と9日の2日間の文化祭、
クラス企画として喫茶店をするということに決まったけど、何か意義ある人」

クラス委員が前でみんなに聞いた。

黒板には「喫茶店」と書かれている。

しばらく待ったクラス委員は意義がないことを確認して

「じゃあ、喫茶店ってことで話進めます」

と言い、荒谷に「終わりました」と声をかけた。