大きく息を吸い込んで、もう1度吐き出した。

友香が言おうと口を開きかけたその瞬間、昇が先に口を開いた。


「俺さ、前にも言ったと思うけど…
宮内のおかげで、もう1度夢を見よう、って思えた。
今回も、宮内は諦めないでがんばっててさ」


そこまで言って、昇は1度口を閉じる。


「俺、今は夢とかないけど…

絶対見つけて、それ叶えるから」


言って昇はこちらを見た。

友香はなんだか泣きそうになって、頷くだけした。

すると、まだ昇の言葉は続いた。


「…だから、宮内も…

夢叶えた姿、俺に見せてよ」


真っすぐに、こちらを見る瞳に、
とうとうこらえきれなくなった涙はこぼれてしまった。