「何かあった?」

「何も、ないよ?」


首をかしげながら昇に返事をすると、昇は安心したように表情を緩ませた。


「いきなりメールきたから、心配してたんだ」

「ぁ、うん。
ごめんね、急にメールして…

でも、直接結果、伝えたかったから」


友香がそう言うと、昇は真面目な顔をしてこちらを見上げてきた。


「どうだった?」


「あ、えっとね…」


カバンに入れた成績表をがさがさと探っていると、昇がまた声を出した。


「ちょっと待って、俺もそこ行っていい?」


突然の申し出に、友香は驚いたが、すぐに笑顔で返事をした。


「も、もちろん!」

「…ありがと」


下から上ってくる昇を待って、友香はなぜか正座をしていた。

上にあがった昇は友香の姿を見て、笑って言う。


「なんで正座してんの?」

「や、なんとなく」