学校に着くと今はちょうど、大掃除をしていて、
あちこちに箒や雑巾を持った生徒が見受けられた。

冬の外は、風が吹くとかなり寒い。

雑巾を持った生徒の手が赤くなっているのを見て、
昇も急に寒くなり急いで教室に向かった。


教室には、教室を掃除する何人かと、黒板に向かっている荒谷がいた。

自分の机にカバンを置きにいった昇を、振り向いたときに目に止めた荒谷は、

「笹木、今年は最後の日まで遅刻だったなぁ」

と笑いながら言っていた。

そして思い出したように昇を手招きし、


「もうクラスのみんなには配ったんだがな」


と、成績表を手渡された。

それを受け取り、頭を軽くさげてまた自分の席に戻る。

渡されたものをカバンのなかに詰めて、昇も教室の掃除を手伝うことになった。