wish

そして、ようやくテストの成績表が渡される日。


昇はまた、いつものごとく朝遅く起きてしまい、
眠たそうに目をこする。

時計に手をやり、文字盤を見ると、はぁ、とため息が自然に漏れた。

遅刻のときでも焦らずゆっくり行く昇は、今日もいつものように学校に向かった。


そういえば、今日は成績表が渡される日だ。

友香の結果は、どうだったのだろう。

うまくいっているといいな。


そんなことを考えながら歩いていると、
ポケットに入れた携帯電話のバイブが着信を伝える。

普段あまり使われないそれは、鳴ることも滅多にないので驚いてすぐさま手にとった。


すると、そこには友香からのメールが届いていた。


『今日、学校が終わったら屋上に来て』


短く書かれたそのメールを見て、少しだけ顔を歪ませた。


何かあったのか…？

テスト、の結果のことだよな…


携帯電話をまたポケットのなかに滑り込ませ、今はとりあえず学校までの道を急いだ。