チャイムが鳴った瞬間、友香はやりきったという達成感で胸がいっぱいになる。

ペンを机の上に置き、ずっとかけていたメガネをはずす。

ようやく終わったのだ。

軽く体の凝りをほぐすように身をよじってから、立ち上がる。


あとは、結果が出るのを待つだけ。


やるだけのことはやったんだから、いまさらあがいたってもう何も変わらない。


「友香、どうだった?」


やっと終わったぁ、というような顔をした恵利子が、友香のもとにやってきた。


「たぶん、できた…かな」


自信なくそう言うと、恵利子は笑った。

軽く友香の肩を叩きながら、


「できたんなら、よかったじゃん。
笹木くんには言いにいかないの?」


視線だけを、昇がいるであろう方向に向けて言った恵利子。

その恵利子の視線を追うように、友香も昇のほうを見た。

少し考えてから、


「結果が出たら、報告しに行く」


何かを決めたように、友香は言った。