それから、あと3日間テストは続き、日に日に軽くなってゆく重荷にみんな高揚気味だった。


これが終われば解放される。


そんな気持ちを胸に、最後のテストを迎えた。

60分という時間は、長いと感じる者が多く、
30分を過ぎた頃には机に伏せて寝てしまう者が続出した。

昇もテストのときは、大体いつも時間をもてあまし寝てしまう。

だが、今回は真剣な眼差しでテストに向かっている友香や、
冴えない表情をしながらも、ペンを握り締めてがんばろうとしている誠を目に止めて、
眠らないようにと時計を眺めていた。

窓の外には、時折、鳥が飛び去るのが見えた。


そんなふうにして時間をやり過ごしていると、ようやくテストの終わりを告げるチャイムが鳴り響く。

寝ていた者も一斉に起きだし、ぐっと背伸びをしていた。

テストが集められ、今度こそ、教室は本当の解放感に満たされた。