「進路についての希望だが、この紙に記入して来週までに提出するように」
教室のなかに担任の荒谷(あらや)の声が響く。
「じゃあ今日はこれで終わり」
その声と同時に教室中でざわざわとした喋り声が聞こえてきた。
「どこにする?」
「まだ分かんない」
「とりあえず適当に」
「まだ2年だし大丈夫だよ」
そんな声があちこちから聞こえてくる。
どうせどこに行ったって同じだろ?
何をそんなに悩む必要があるんだよ。
笹木昇(ささき のぼる)は静かに考えていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…