「進路についての希望だが、この紙に記入して来週までに提出するように」 教室のなかに担任の荒谷(あらや)の声が響く。 「じゃあ今日はこれで終わり」 その声と同時に教室中でざわざわとした喋り声が聞こえてきた。 「どこにする?」 「まだ分かんない」 「とりあえず適当に」 「まだ2年だし大丈夫だよ」 そんな声があちこちから聞こえてくる。 どうせどこに行ったって同じだろ? 何をそんなに悩む必要があるんだよ。 笹木昇(ささき のぼる)は静かに考えていた。