誠の腕を振り払い、ぴしゃりと言い放つと、誠は少しふてくされたような顔をした。

だが、次にはこう言った。


「まぁ、理由はなんにしても、勉強するのはいいことだしなー」


友香はそんな誠に、

「じゃ、続きしよっか」

と言い、またペンを走らせる音が鳴りだした。



友香は、諦めないでがんばっている。


自分も、何かするべきではないだろうか。


本当に、がんばっている友香を見て、昇はそう思った。


“諦めるな”
と言ったのは自分だ。




図書室での勉強は、思った以上にはかどり、友香は満足したような顔をしていた。

誠も

「なんか次のテストいい点とれそう」

と、顔を緩めていた。

また一緒にしよう、という話になって、4人はそれぞれ学校をあとにした。




家に帰ってから昇は、母が仕事から帰ってくるのを椅子に座って待つ。

今日伝えたいことがあったからだ。