「…恵利子、おはよー…」


恐る恐る声をかけると、恵利子は極上のスマイルを浮かべる。

大丈夫かと思ったが、やはり、その笑顔はどことなく怖くて。

友香もなんとか取り繕おうと笑顔を向けた。

その顔は引きつっている。


「…恵利子?」

「おはよ、友香」

「どうか、した?」

「メール」

「は?」

「メールよ、メール。
昨日送ったのに、なんで返信しなかったのよ!
心配したじゃない」


恵利子は心配しているのか、怒っているのか分からない顔でこちらを見た。


「あ、そっか…

ごめん」


しょんぼりと顔を下にして謝ると、恵利子は友香の肩に手を乗せた。


「まぁ、いいんだけど。
…それより、昨日笹木くんから連絡あった?」

「ぇ、あ、うん。
…あった。
ありがと恵利子」

「どういたしまして」


今度こそ笑顔を見せた恵利子に、友香はひきつっていない笑顔を返した。