別れ際に、


「じゃあ、また」


と昇に手を振ると、昇も手を振ってくれた。

そして、少し笑った顔で言った。


「明日は、学校来いよ。
三田も心配してたし、


…俺も行くから」


言うとすぐに、昇は友香の返事も聞かずに帰っていった。

誰に聞かせるでもなく、友香は自然と言葉を紡いだ。


「絶対行くよ」



家に帰ると、いつもと大体同じ時間帯で、
友香は深呼吸してから玄関の扉に手をかける。


「ただいまー」


と、いつもどうり声をかけて、自分の部屋へ足早に向かった。


自分の家なのに、何緊張してんだろ…


今日持っていった私服を、カバンの中から出して、しわになった部分をきれいに伸ばす。

またそれに袖をとおして、母がいる部屋に行くことにした。