落ち着くようにと何度か深呼吸して、昇はいつも父が座って外を眺めている部屋に向かった。

その部屋の扉に手をかけたとき、開けたくない気持ちでいっぱいになる。

恐る恐る、ゆっくりと扉を開け、なかにいるであろう父を呼ぶ。


「父さん…?」


しかし、返事はない。

部屋のなかに目をやって、昇は固まった。

目の前の光景が、信じられなかった。



そこにあったのは、









首を吊った父親の姿だった。