「ありがとな、昇。父さんがんばるから」

「うん、がんばってもらわないと、俺たちが困るよ」

「はは、昇も言うようになったなぁ」


昇は父と軽くハイタッチをして顔を見合わせた。

そしてお互いに苦笑するのだった。



きっとこの先、幸せな未来が待ってる。


昇はそう信じていた。


自分の好きなことを、自分の信念のままにやりとげる。



“夢”とは、まるで、甘美なまでの生きる原動力だ。
それこそ、ケーキのような。


いつも笑顔が絶えない。



昇もいつか、父親のように、何か夢を見たいと思った。


父の大きな背中が、昇の目標だった。