学校が終わり、いつものように昇は帰り仕度を始める。

カバンの中に持って帰るものを詰め、帰ろうと玄関に向かう。

靴を履いたところで、背中を叩かれた。

ゆっくりと振り向くと、そこには友香がいた。

「…何?」

きょろきょろとあたりを見回してから、人があまりいないことを確認した友香は

「今日、私部活休みなんだけど、一緒に帰らない?」

と言った。

昇はもちろん即答する。

「無理」

「でも、もう帰るんでしょ?」

「そうだけど…でも無理」

「ふーん…」

「…じゃ」

そう言って昇はきびすを返す。