「で、今日どうしたの?」

とりあえず本題に入ろうと話を切り出した。


『え、っと…』


なぜか友香が口籠もったので、また問い掛ける。


「何かあった?なんか変だけど」

聞いても何も答えない友香。

やっぱり何かあったのか、と昇は顔を歪めた。


「今、家?」

『あ…外…』

「じゃあ、今どこにいんの?」

『図書館…』


図書館、と聞いてこのあたりの地理を思い浮べた。


「俺、今近くなんだけど…会えない?」


『…え?』


驚いた声を友香が出したので、
今自分が言ったことを思い返して顔が熱くなるのを感じた。

今、電話で話していてよかったと思った。


『会える!!』


耳元に友香の大音量の声が響き、昇は顔をしかめたが、

少しだけ嬉しかった。