学校も、結局は枠にはめようとする場所だ。

唯一好きなのが
屋上の青。

心苦しくなったときの、友香の逃げ場所であった。


今日はついにその学校からも逃げ出してしまった。

時計を見ればまだ間に合う時間だったけれど、やはり行く気にはなれなかった。


最終的に友香が身を潜める場所として選んだのは、市立図書館だ。

平日であるから、人も多くなく、いるのは年を重ねた人ばかりだった。

友香は人目につかないようにと奥のほうに足を進める。

埃っぽい本の匂いが鼻をかすめた。


誰もいない机を選んで腰をおろし、そこでようやく安心できた。

体の力が一気に抜けてゆく。


とりあえず、と何冊か本を選んできて、自分の前に並べてみたが、どうにも読む気にならない。

パラパラとページをめくっていると、わずかに眠気に襲われた。

ふゎ、とあくびが出て、友香はそのまま眠りについた。