2日間の休みがようやく終わる。

いつものように、朝は何事もなかったかのような母の態度。

制服に袖をとおし、ぱんぱんに膨れたカバンを脇に抱えた。


なんだか、息が詰まる。


「いってきます」

「朝ごはん、食べないの?」

「食欲ないからいらない」

それは嘘ではなく本当のことだ。

「そう、じゃぁ気を付けていってらっしゃい」


家をあとにした友香は、やっと解放感に満たされた。

だが、学校にも行きたくなかった。

制服を着て家を出てきたけれど、友香が脇に抱えたカバンの中には、私服が入っていた。

制服で街をうろうろしても、補導されてしまうだろうと準備してきたのだ。

近くのコンビニに立ち寄って、トイレの中で着替える。

こんなことをするのは初めてで、少し罪悪感はあったが、
着替えた自分の姿を見て、大丈夫、と自分に言い聞かせる。