ガラリと扉が開き、先生が入ってきたので、みんな慌てて席についた。

携帯電話を焦って隠す者もいたが、先生にはばれているのではないだろうか。

後ろの席から前の席を見回してそう思った。


授業がはじまり、教室内が静かになる。

昇は広げた教科書に隠して、携帯電話を手に握り締めた。

恵利子が入れてくれたという友香の連絡先を開くために。

先生が黒板に書き込むときを見計らってそれを操作をする。

ばれないように前を気にしながら慎重にボタンを押していく。

電話帳を開いて、上のほうから名前を見ていく。

基本的に携帯電話を使うことはほとんどない。

そのため、電話帳に入っている名前は少なく、友香の名前はすぐに見つかった。