あぁ、その辺に恋でも落ちてないかなぁ


なんて思いながら家路に着くと
私の住んでいるマンションの玄関前に1台の引越しトラック


誰か入ったのかそれとも出ていくのか


部屋に帰り荷物を置きコートを脱いだところで台所用洗剤を切らしていたことを思い出し財布を片手にもう一度部屋を出る


すでに葉桜の季節だが夜はまだ冷える

ピンストライプのシャツに細身のカーディガン
黒いスキニーに金のバックルのパンプス
無造作に束ねた髪が夜の空気を吸って冷える

いちばん近くのスーパーで洗剤だけを買って出る


少し歩こうと思い、回り道をして帰る