しばらく抱き合った後、お互いに恥ずかしさを覚えたのか手を離した。

ありがとうね…。

こちらこそ…。

幸せが絶頂な二人。
だが、目的を達成した友樹にもう時間は残されていなかった。

友樹はふと遠くに小さな光を発見した。
それは近づいて来ているようだった。

それは、去年の夏に見たものと同じものであった。間違いない。
あの光に包まれた瞬間、戻ってしまう。
時間は刻一刻と迫っていた。