夜も更けた道を明かりも持たず歩く一人の男。
右手には花束を持ち、俯きつつ歩く男。
その男の名は、池田友樹。
ごくごく普通の会社に勤めるサラリーマンである。
友樹の向かった先は、花が供えられている交差点。
もう十年も前の話なんだな。
そう呟くと、手に持っていた花束を交差点に供え、手を合わせた。
ここで亡くなったのはかつて友樹の幼馴染であり親友だった木村大輔という少年。
小さい頃から家が近所ということもあり二人は仲が良く、高校も同じ場所に通っていた。
部活動も共に野球部で、毎日一緒に汗を流していた。
事故が起こったのは、高校3年の時。
いつものように部活が終わり一緒に帰っていると、大輔が急に友樹を呼び止めた。
何かと思って大輔を見つめる友樹。
大輔は何かを伝えようとしていたみたいだが、なかなか言葉が出て来ない様子でモジモジしていた。
どうした?
今伝えないといけないことなのか?
友樹がそう言うと大輔はぎこちない顔をしながら
い、いや。
また今度伝えるよ。じゃあな。
そう言うと、友樹を置いて走り去って行ってしまった。
いったい何を言おうとしていたんだ?
不思議に思った友樹だったが、また今度でも大丈夫だろうと考え、自宅に帰った。
…それがいけなかったんだ。
右手には花束を持ち、俯きつつ歩く男。
その男の名は、池田友樹。
ごくごく普通の会社に勤めるサラリーマンである。
友樹の向かった先は、花が供えられている交差点。
もう十年も前の話なんだな。
そう呟くと、手に持っていた花束を交差点に供え、手を合わせた。
ここで亡くなったのはかつて友樹の幼馴染であり親友だった木村大輔という少年。
小さい頃から家が近所ということもあり二人は仲が良く、高校も同じ場所に通っていた。
部活動も共に野球部で、毎日一緒に汗を流していた。
事故が起こったのは、高校3年の時。
いつものように部活が終わり一緒に帰っていると、大輔が急に友樹を呼び止めた。
何かと思って大輔を見つめる友樹。
大輔は何かを伝えようとしていたみたいだが、なかなか言葉が出て来ない様子でモジモジしていた。
どうした?
今伝えないといけないことなのか?
友樹がそう言うと大輔はぎこちない顔をしながら
い、いや。
また今度伝えるよ。じゃあな。
そう言うと、友樹を置いて走り去って行ってしまった。
いったい何を言おうとしていたんだ?
不思議に思った友樹だったが、また今度でも大丈夫だろうと考え、自宅に帰った。
…それがいけなかったんだ。

