拳銃相手では分が悪いと考えたのか。
ホームレスはゆっくりと振り返る。
チューリップハットを深く被っているせいか、顔は見えない。
が、着衣越しの胸の膨らみがない事や、骨格の感じから、女性ではないようだった。
果たしてこのホームレスは何者なのか。
「帽子をとれ」
巽は拳銃を向けたまま言う。
「おかしな真似するんじゃないぞ。帽子だけをとれ」
「……」
無言のまま、ゆっくりと帽子に手をかけようとするホームレス。
しかし彼は。
「!?」
帽子ではなく、身に付けている枯葉色のコートを素早く脱ぎ捨て、巽に投げつけた!
コートが目の前に広がり、視界を塞がれる巽。
「このっ!」
巽は片手でコートを払いのける!
ホームレスはゆっくりと振り返る。
チューリップハットを深く被っているせいか、顔は見えない。
が、着衣越しの胸の膨らみがない事や、骨格の感じから、女性ではないようだった。
果たしてこのホームレスは何者なのか。
「帽子をとれ」
巽は拳銃を向けたまま言う。
「おかしな真似するんじゃないぞ。帽子だけをとれ」
「……」
無言のまま、ゆっくりと帽子に手をかけようとするホームレス。
しかし彼は。
「!?」
帽子ではなく、身に付けている枯葉色のコートを素早く脱ぎ捨て、巽に投げつけた!
コートが目の前に広がり、視界を塞がれる巽。
「このっ!」
巽は片手でコートを払いのける!


