BEAST POLICE年末特別警戒スペシャル

「止まれ」

ある程度路地裏を進んだ所で、警告を発した。

路地裏のこの位置ならば、退路も限られている。

完全に追い詰められると踏んでの事だった。

「両手を頭の上に。ゆっくりとこっちを向け」

「……」

巽の警告にも、ホームレスは立ち止まったまま。

振り向こうとしない。

「言う通りにしろ!」

巽はヒップホルスターから拳銃を抜いた。

コルトローマン2インチ。

357マグナム弾も発射可能な拳銃で、『ローマン(法執行人)』の名が示す通り警察向けの設計がされている。

「俺は犯罪者なら容赦なく撃つぜ。てめぇみたいな爆弾魔は特にな」