目が覚めると明け方だった。

環は寝惚け眼を擦りながら、ソファから身を起こす。

気が付くと、隣で巽が見ていた。

「やだ…ずっと見てたんですか?」

「よく寝てたから、起こすのは忍びなくてな」

巽は笑う。

倉本は既に警視庁の方に戻り、美奈は自室で就寝中。

「大丈夫だったのか?事務所に戻らずここで泊まって」

「ちゃんと事務所には、外泊する事を伝えているから平気です」

そう言って環は髪と着衣を整えた。

「それにしても、そろそろ帰らなきゃかな」