BEAST POLICE年末特別警戒スペシャル

巽には思う所があった。

環を狙っての犯行として、確実に彼女が封を切るとは限らない郵便爆弾を送るだろうか。

郵便爆弾は、『あわよくば本人が開封すれば』程度の確率でしかない。

本人を確実に狙うのなら、もっと他のやり方が効果的の筈だ。

犯人は環を狙ったのではなく、只の嫌がらせ程度のつもり、或いは愉快犯の可能性が高いと思われる。

「じゃあ、本気で環ちゃんを殺そうとしたり、怪我させようとしたりは考えてなかったと?」

事務所の社員が言うが。

「但し」

そばにいた倉本が付け加える。

「この郵便爆弾を送ってきた犯人は、爆弾に関する知識のある人物だ。本気を出せばこんなものでは済まなかったかもしれん。それこそ、この事務所ごと環さんを爆発に巻き込む事も出来ただろう」