恐れも躊躇もなく。

倉本と巽は砂浜を歩く。

何処に地雷が埋まっているのかも分からない砂浜を。

「大した度胸ですね。それとも無知なんですか?」

瀬尾は薄笑みすら浮かべて2人と対峙している。

そんな瀬尾の眼前まで近付き。

「瀬尾」

巽はサングラスを外して睨みを利かせた。

「これ以上時間をかける気はない。もう決着にしようや」

「…そうですね」

瀬尾はチラリと腕時計を見る。

午後11時になろうとしていた。