「……」

倉本の言い分は正しかった。

どんなに粘った所で、何れは瀬尾の手持ちのパイプ爆弾はなくなる。

最終的には自爆という破滅しか残されていない。

ならば。

「賭けをしましょうか、倉本刑事、巽刑事」

環を小屋に残したまま、瀬尾は出てきた。

パイプ爆弾すら持たないまま、丸腰だ。

「この小屋の周辺は、僕の仕掛けた地雷原になっています。この地雷原の真っ只中で、僕と勝負する度胸がありますか?お二人がこの地雷原の中で僕を倒す事が出来たなら、大人しく逮捕されて環さんも解放しましょう」

いつ地雷を踏んで爆発するか分からない砂浜で、素手での勝負。

仕掛けた瀬尾には地雷の位置が分かるが、倉本と巽には圧倒的不利だ。