撮影を終えた環は、着替えを終えて一旦事務所へと戻る。

時間は午後5時45分。

この時期のこの時間は、既に外も真っ暗だ。

「一休みしたら、晩御飯にしようか」

マネージャーの言葉に、環は頷く。

今日も学校は休んで、撮影の仕事で一日拘束された。

過密なスケジュールに毎日翻弄されるが、環は愚痴の一つも零さない。

この仕事が好きだし、ファンの事も好きだし、何より一番の巽 英二(りかいしゃ)がいる。

だからハードスケジュールにもめげずにいられるのだ。