なにもする気も起こらず、ボクはベッドの上でゴロゴロしていた。
明日からまたひとりかぁ。
頭に浮かんだ言葉が、自然と口から漏れた。
いや、わざと呟いたのかもしれない。
今、ボク自身が置かれている状況から目を逸らすために。
本当はひとりになることがイヤなんじゃない。
ボクにとってツラいことは、ひとみさんがいなくなること。
ホント、いつのまに、こんな気持ちになってしまったのだろう。
たかだか半年ちょっと、この家で同居しただけなのに。
でも、現実的には、ボクなんかが彼女を引き止めることなんて出来やしない。
この家だって、生活費だって、父からの援助だし、ボクは、ただの学生だし。
与えられた環境の中で、甘えていただけだったんだ。
父は仕事をして、自分の生活に責任を持っている。
だから、ひとみさんを連れ帰っても、父自身の責任の範疇で生活が可能だ。
悔しいよ。
何に対して悔しいのか、自分自身わかっていないけど。
学生という親に依存した状況が悔しいのか、それとも、純粋に、父に勝てなかったことが悔しいだけなのか。
人を好きになるなんてこと、理屈なんかじゃない。
でも、その気持ちが叶わないことが、こんなに苦しいことだったなんて、思いもしなかった。
自分ひとりでは、どうにもできないことが、こんなに悲しいなんて。
諦めなければならないことが、こんなにツラいことだったなんて。
ボクは初めて知った。
好きになればなるほど、その瞬間はこの上なく幸せだか、それが崩壊した時、加速度を持ってその悲しさは倍増してしまう。


